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第一次世界大戦のイギリス機

フォッカーE3型機の機銃同調装置の脅威に対して、フランスは機銃を主翼の上に乗せるという方式のニューポール戦闘機で対抗したが、イギリスはプロペラを操縦席の後ろに配置した推進式(プッシャー式)を好んで採用した。プロペラが後ろにあるのでプロペラ回転面を気にする事なく、機銃を配置できる。F.E.8などが代表的な推進式の戦闘機だが、登場した1916年にはすでにドイツの新型アルバトロスが登場していたので、歯が立たなかった。
イギリスの戦闘機として有名なのはソッピースF1キャメルで、2丁の同調式機銃を取り付けてある部分がコブのように盛り上がっているので「らくだ(キャメル)」というあだ名がつけられた。機体の重心まわりにエンジンと操縦席、そのすぐ後ろにガソリンタンクをまとめたので、慣性効率がよく運動性はバツグンに良かった。しかも、回転式のエンジンを装備しているので、トルクの関係で右旋回では機首を下げる方向に回転するので、右旋回得意だった。その反面で、安定性がなく、操縦が難しい欠点もあった。旋回中にバンクを少し強くするだけできりもみに入ってしまうし、しかも独特の操縦操作をしなければ回避できなかったので、訓練中の新米による事故が相次いだ。しかし、熟練したパイロットが乗るとそのジャジャ馬ぶりが強力な武器になった。

ソッピース・キャメル戦闘機
ジャジャ馬のキャメルに対して、イギリス航空工廠のS.E.5は正反対の性格の機体で、キャメルのような運動性はなかったけど、安定性が良く、操縦性もよかったので、安定した射撃が可能で、長距離射撃での命中精度が良かった。しかも、機体構造が頑丈なので、急降下性能が良く、上昇力も良かった。2丁の機銃の内、主翼の上に取り付けたルイス機銃はドラム弾倉式で97発ごとに弾倉を取り替える作業が面倒なであった。胴体のビッカース機銃はベルト給弾式。マノックやビショップなどのエースが好んで使用した。

S.E.5戦闘機
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