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第一次世界大戦のフランス機

フォッカーE3型機の機銃同調装置の脅威に対して、イギリスは推進式で操縦者の後ろにプロペラを置いて、前方に機銃を配置したいわゆるプッシャー式のDH2などで対抗しようとしたが、フランスは機銃を主翼の上に乗せるという方式のニューポール戦闘機で対抗した。ニューポール17は上翼にくらべて下翼が半分くらいの翼弦長しかなく、俗に1葉半形式と呼ばれる形式を採用した。ロータリー形式のエンジンによるジャイロ効果もあって旋回性能もよく、上昇性能も良かったので、制空権を連合国側に取り戻す事ができた。イギリスのアルバート・ボール、カナダのビリー・ビショップ、フランスのシャルル・ナンジェッセなどのエースに愛用された。しかし、下翼がV字形の支柱の1点だけで支えられているため、急激な運動でねじれて下翼が離脱してしまう事があり、設計者のグスタフ・ドラージュはやがて1葉半形式をあきらめてしまうが、ドイツのアルバトロスは真似をして同じようなトラブルに悩ませる事になったのは皮肉だ。

ニューポール17
スパッドS.7は初の時速200kmを突破したドペルデュサン・レーサーの設計者のルイ・ベシュローの設計した機体だ。スペインのイスパノスイザという高性能のエンジンと、エンジンの設計者のマーク・ビルキグトが考案した機銃同調装置が利用できるようになり、設計した戦闘機で、頑丈で速度が早く、安定の良い事が好まれ、エースのギンヌメール、ルネ・フォンクなどが愛用した。運動性などはニューポール機や、同じイスパノスイザ発動機を搭載したイギリスのS.E.5などに負けるものの、速度と剛性を生かした一撃離脱戦法の重戦闘機な戦闘機だった。ライバルのニューポール機が性能向上できずにいるところを横目に、戦争の最後までエンジンの馬力向上などでドイツの新型機に対抗することができた。

スパッドS.7
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