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巡業飛行士たち

第1次世界大戦が終わると、不要になったカーチスJN-4型機が民間に安く払い下げられて、誰でも安価に飛行機が購入できるようになった。そこで各地を飛行機で巡り、ちょっとした遊覧飛行をしてあげてお金を稼ごうという者たちがでてきた。あるパイロットは、上空でその町で稼げるかどうかを見分ける術を習得した。低空飛行で町の人を驚かしてみて、人びとが仕事の手を休めずに働き続ける所はダメで、子供たちが追ってくるような町に着陸したという。しかし、やがて、飛行機がそんなに珍しくなくなってくると彼等は見せ物を考えて、客を呼ぼうとした。翼の上で逆立ちをしたり、飛行機から飛行機へ乗り移ったり、走る自動車から飛行機に乗り移ったり…。そんな時に翼上面にある張出しを支えるキングポストと、翼下面にある翼の保護用のフープが役にたった。各地を巡業してまわる彼等は「バーンストーマー」と呼ばれてアメリカの空の風物詩になった。映画「華麗なるヒコーキ野郎」でもそのあたりの情景が描かれていて、「アクロバットな飛行」はハリウッド映画へと受け継がれていく。そして1926年に合衆国議会が航空事業法を制定し、パイロットと整備員の免許制度、飛行機の登録、認可制度、航空管理制度を実施するようになり、ジプシー巡業飛行の時代は終わりを告げる事になる。
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