鉄砲の分類(作動方式による)

拳銃からライフルまでを同時に分類しようとするとちょっとばかし無理があるように思いますが…(^^; その辺はご愛嬌で大目に見ていただけると幸いです。あくまでも初心者向けの解説を志しておりますので…(と言い訳をしておく)
  マズル・ローダー(前装銃)
単発 サーペンタイン・ロック S字の金具による最も初期のメカニズム。
マッチ・ロック 火縄銃と呼ばれているもの。雨の日は使えない、夜間は敵に自分の居場所がバレてしまう…などの大きな欠点がある。
ホイール・ロック 火打石を回転する歯車に擦りつけて点火する方式。しかし、機構が複雑で高価な為に軍用としては発展しなかった。
フリント・ロック 火打石をバッテリー(発火板)に打ちつけて点火する方式。
ハンマー・スプリングが外に露出してるミュケレット(スパニッシュ)や、発火板と火皿が別々になってるスナップ・ハーンス、ドッグ・ロック(イギリス)などのバリエーションがある。
パーカション・ロック 銅製のキャップに雷汞をつめたパーカッション・キャップを使って点火する方式。
連発/手動式 ペッパー・ボックス 銃身を何本か束ねて、それぞれに装弾して発射するタイプ。次ぎの弾を発射するには束ねた銃身を回転させる。しかし、隣の銃身の弾も引火して発射してしまう危険性もあった。
リボルバー 1本の銃身と、回転式の弾倉を使って次ぎ次ぎに発射するタイプ。
マッチ・ロックの時代から試行錯誤されていたが、サミュエル・コルトによってハンマーと連動してシリンダーが回転するリボルバーが完成された。
複数同時発射 ダックス・フット フリント・ロック方式などで、複数の銃身を放射状に並べてあって、上から見るとアヒルの足のように見える事からこう呼ばれるようになった。暴徒鎮圧用など。
  ブリーチ・ローダー(後装銃)
単発 ブレーク・オープン トンプソン・コンテンダーなどのような中折れ式。つまり、銃身側を回転させるなどして開放する方式。
ブリーチ・オープン(*1 中折れ式(銃身側が動いて開放)に対して、ブリーチ部が動いて開放するメカ。思いつくものとしては…(^^;
トラップ・ドア U.S.M1873のメカニズム。ブリーチを上に跳ね上げるようにして開放する。
フォーリング・ブロック シャープス・カービンなどが採用。レバーを操作してブリーチ・ブロックを下方へ落として開放する。他にはマーティニ・アクションなどが有名。
ローリング・ブロック 一見、ハンマーが2つあるように見える機構。内側の方がブリーチ・ブロックになっていて、ハンマーをコックするような感じで開放する。
(*1 僕の勝手な命名です(^^;
連発/手動式 ダブル・バレル ブレーク・オープン方式で、銃身を2本束ねたもの。
リボルバー 回転式の弾倉を持っているタイプ。俗称で「レンコン式」などとも呼ばれる事がある。
ソリッド コルトS.A.Aのように、シリンダーが固定されているタイプ。今日でも大口径のリボルバーが採用。
チップアップ S&W No.2などのシリンダーが上側にオープンするタイプ。
オープン・トップ・ブレイク S&W No.3や、エンフィールドのような中折れタイプ。ブレークと同時にケースもイジェクトされる。
スウィング・アウト 現代のリボルバーのほとんどが採用しているタイプ。シリンダーをフレームの横にスウィングする方式。
レバー・アクション 西部劇にでてくるウインチェスターM73などのレバーを操作してボルトの開閉&装弾を行なうメカ。チューブ式のマガジンが多いので、先の尖った弾などは使えない。
ボルト・タイプ(*2 一般的なウインチェスター方式で、ボルトが前後に動くタイプ。(*2 僕の勝手な分類です(^^;
その他のタイプ ・スベンサー・カービンなど、レバーと連動してブリーチ・ブロックが回転して開放するタイプ。
ポンプ・アクション スライド・アクションとも呼ぶ。グリップ等を前後に操作してボルトの開閉&装弾を行なうメカ。レミントンM870、モスバーグM500などショットガンに使われる事が多い。
ボルト・アクション モーゼル・アクションとも呼べる。モーゼルKar98kなど、ボルトハンドルを操作してボルトの開閉&装弾を行なうメカ。安価で丈夫で確実な方式。
メカニカル・リピーター トリガー・ガードや、レバー等を利用してブリーチ部を作動させて開閉&装弾を行う、オートマチックに移行する過渡期のハンドガンに見られる。ボルカニック・ピストルなどは後のウィンチェスター・レバーアクションの基礎にもなった。
連発/自動式
反動利用 
特殊な例として反動を利用してシリンダーを回転させてハンマーをコックする、オートマチック・リボルバーというのがある。
ブローバック サブマシンガンや、中・小型のハンドガンで主に採用されるメカ。構造が簡単というメリットがある。しかし、弾が銃口内にあるうちから作動を始めるので、ハンドガンでは.380ACPが限界。SMGなどはボルトの重量を重くしたりスプリングを強くしたりして対応している。
ディレード・ブローバック ブローバックをチェンバーのガス圧が安全なレベルまで下がるまで遅らせようというメカ。銃身を固定式にできる。しかし、完全にロックしている訳ではないので、設計時にはケース切れなどに対する配慮が必要。
ガス利用 H&K P7やステアーGBのように発射ガスの一部を利用してロックするタイプ。
ローラー・ロッキング H&K MP5に代表されるタイプ。ガス・オペレーションなどの銃に比べて反動がマイルドだと言う。
ロータリー・バレル フレンチMAB-15が採用。バレルを通過する弾丸のトルクを利用する珍しい方式。
アクチュエーター トンプソンSMG(M1928)の採用した方式。傾斜面を使って後退を遅らせる方式。
ショート・リコイル チェンバー・プレッシャーが安全なレベルになるまでバレルとボルト、スライドなどをロッキングしておくメカ。バレルはボルト、スライド等と共に若干後退する。
ティルト・バレル・タイプ 別名ブローニング・タイプとも呼ぶ。バレルとスライドのロックの開放をバレルを傾ける事で行なう方式。コルト・ガバメントなどのようにバレル・リンクを使う方式と、ブローニング・ハイパワーなどのようにブロックを利用する方式とがある。今日ではハイパワーの方式が主流。
プロップ・アップ ロッキングが溝などにより落ち込んでロックを開放するタイプ。ワルサーP38、モーゼル・ミリタリーなど。
トグル・ロック ルガーP08などに使われているタイプ。
リーフ・ロック 板状のパーツが八の字に開くタイプ。モーゼルM1912/14など。
ロータリー・バレル コルト・オールアメリカンなど、バレルの回転でロックを開放するタイプ。
ロータリー・ボルト ボルトを回転させてロックを開放するタイプ。オートマグが採用。
ロング・リコイル バレルとボルト、スライドなどがロックされたまま後退し、先にバレルだけが復元し、排莢を行なう方式。ショーシャLMGなどごく一部が採用。
連発/自動式
慣性利用
ベネリ・ショットガンが採用。ボルトの慣性を利用してイナーシャ・スプリングを圧縮し(その間ロックされている)、スプリングの反発で後退を加速する方式。慣性を利用するのでしっかりと銃を保持していないとジャムしてしまう。
連発/自動式
ガス圧利用
ロッキングのメカに関してはロータリー・ボルト、プロップ・タイプなど様々な組み合わせがある。
ロング・ストローク・ピストン 今日のライフル等で最も一般的な方式。発射ガスの一部をボルトに連結されたピストンに吹き付けて作動させる方式。
ショート・ストローク・ピストン ピストンがボルトに連結されておらず、ボルトなどをピストンが突いて作動させる方式。M1カービンなど。
ガス直接利用方式 リュングマン方式とも呼ぶ。ピストンがなく、ガスを直接ボルトなどに吹き付け作動させる方式。M16が採用。

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